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ピロリ菌が胃がんの原因に

皆様こんにちは、まきこクリニック院長の船越です。

本日のコラムは、「ピロリ菌と胃がん」についてです。

一部の方ではもう聞き飽きているテーマかもしれませんが、大事なことなので改めてお伝えしたいと思います。

 

■ピロリ菌はどんな菌?

ピロリ菌(Helicobacter pylori)は、胃の粘膜に生息するらせん状の細菌です。通常、胃の中は強い酸性環境にあり、多くの菌は生きていけませんが、ピロリ菌は「ウレアーゼ」という酵素を使って胃酸を中和し、胃の中でも自らの住処を確保します。ピロリ菌は、胃がんや胃潰瘍の原因であることが知られており、日本ではピロリ菌感染率が高く、70代以上では過半数が感染している※とも言われています。そのため、胃がんや胃潰瘍を予防するためには、ピロリ菌を早期に除菌することが重要となります。

※「ヘリコバクター・ピロリ除菌の保険適用による胃がん減少効果の検証について」(厚生労働省)(https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000167150.pdf)

ピロリ菌のご相談

 

■ピロリ菌感染のタイミングと感染経路

ピロリ菌は主に乳幼児期に感染すると考えられています。また主なピロリ菌の感染経路は、口を介した家族間の接触や井戸水などと言われています。特に衛生環境が十分でなかった時代には、多くの方がピロリ菌に感染していました。一度ピロリ菌に感染すると、菌は自然に体から排除されることはまれで、何十年も胃の中にとどまり続けます。それにより長年の慢性炎症が胃粘膜を萎縮させ、腸上皮化生という前がん病変を引き起こし、最終的に胃がんへと進行することが知られています。

ピロリ菌感染について

 

■ピロリ菌が引き起こす病気とそのリスク

〇ピロリ菌と慢性胃炎の関係

ピロリ菌は、胃の粘膜に感染し長期間とどまることで、慢性的な胃の炎症(慢性)を引き起こします。ピロリ菌に感染してからすぐは自覚症状がほとんどありませんが、ピロリ菌が出す酵素や毒素が胃の粘膜を刺激し続けることで、胃の炎症が進行していきます。胃の炎症が進むことで胃の粘膜が萎縮し、胃酸の分泌が減少するようになると、「萎縮性胃炎」と呼ばれる状態になります。慢性胃炎は軽い不快感で済む場合もありますが、進行すると胃の働きが落ち、食欲不振や消化不良、げっぷ、胃もたれといった症状が現れることもあります。

ただし、何十年もピロリ菌感染があると、胃の自覚症状が乏しい方も多いです。『胃は丈夫なんです』とおっしゃる方でもピロリ菌感染があることが多いです。ピロリ菌を除菌することで炎症の進行を抑えることができ、将来的な胃がんのリスクも減らせるため、慢性胃炎と診断された場合にはピロリ菌の検査を行うことが重要です。

 

〇ピロリ菌と胃潰瘍の関係

ピロリ菌は、胃潰瘍の主な原因の一つと言われています。ピロリ菌が持つ毒素や酵素が直接的に粘膜を破壊し、胃の防御機能を低下させてしまうことで、胃酸によるダメージが直に加わるようになります。その結果、胃の粘膜がえぐれたような状態となり「胃潰瘍」が発症してしまいます。胃潰瘍が進行すると、強い胃痛や出血、時には吐血・黒色便といった症状を引き起こすこともあります。ピロリ菌の除菌治療によって胃潰瘍の再発を予防することができます。そのため、早期にピロリ菌を除菌することが重要です。

 

〇ピロリ菌と胃がんの関係

日本の胃がん患者様の多くは、ピロリ菌感染歴があることがわかっており、胃がんの発症にピロリ菌が密接に関係しているとされています。ピロリ菌感染が続くことで慢性胃炎が進行し、胃粘膜が萎縮しはじめると、腸上皮化生と呼ばれる胃の粘膜の変化が起こります。この状態が長期間続くことで、胃がんに発展するリスクが高まると言われています。ピロリ菌を早期に除菌することで、胃炎のリスクや胃がんの罹患リスクを大幅に下げることができます。

 

■胃がんは予防できる時代

ピロリ菌除菌は医療保険の対象であり、以前に比べて多くの方がピロリ菌の検査と治療を受けやすくなりました。それにより胃がんは予防できる時代になってきています。一方で、抗生物質への耐性菌の増加や、ピロリ菌除菌後の長期フォローの必要性といった課題も残されています。そのため、ピロリ菌の除菌に成功したからといって安心することなく、定期的に胃カメラ検査を行うことは重要となります。

 

■当院の胃カメラ検査

【無料駐車場・駐輪場完備】

当院は、遠方の地域の方でもご来院いただけるよう無料駐車場・駐輪場を完備しております。※胃内視鏡検査で鎮静剤を使用した場合には、安全のため自動車や自転車の運転はお控え頂く必要がございます。

 

【石田駅から徒歩2分】

当院は、地下鉄東西線 「石田駅」④番出口 徒歩2分に位置しております。そのため、電車を利用される方も、お気軽に胃カメラ検査を受けて頂くことが可能となります。

※JR京都駅からのアクセス

JR[京都] → JR琵琶湖線・湖西線[山科] →京都市営東西線[石田]

JR[京都] → JR奈良線[六地蔵] → 京都市営東西線[石田]

JR[京都] → 市営地下鉄烏丸線[烏丸御池] → 市営地下鉄東西線[石田]

 

【土曜日/日曜日の胃カメラ検査が可能】

当院では土曜日/日曜日の胃カメラ検査を行っています。平日はなかなかスケジュールをつくれない方のために、胃カメラ検査の枠も確保しております。平日お忙しい方でも胃カメラ検査をお受け頂くことが可能です。

 

【胃と大腸の同日検査が可能】

当院では、胃カメラ検査と大腸カメラ検査の両方を1日で受けられるようにしています。事前の食事制限も1回で済み、お忙しい方でも検査スケジュールを組みやすくなります。ご希望の方はお気軽にご相談ください。

 

【郵送での結果報告も可能】

当院では、遠方の方など何度もご来院頂くことが難しい場合には、郵送による結果報告も実施しております。当日の検査説明もさせて頂きますが、病理結果などを郵送させて頂くことも可能となりますお気軽にご相談ください。

 

■まとめ

ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)は、胃がんの最大の原因とされています。長期間にわたり胃の粘膜に感染し続けることで、慢性胃炎を引き起こし、胃がんの罹患リスクが高くなります。ピロリ感染していてもすぐに胃がんになるわけではありませんが、ピロリ除菌を早期に行うことで胃がんリスクを大幅に下げることが可能となります。特に30歳以上の方や、家族に胃がんの既往がある方は、早めの胃カメラ検査とピロリ除菌が将来の病気予防につながります。些細な症状・気になる症状や定期的なチェックを希望される方は、どうぞお気軽にご相談ください。

 

〒601-1431

京都市伏見区石田大受町32-2

まきこ胃と大腸の消化器・内視鏡クリニック

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