便潜血

便潜血検査陽性(血便)と大腸内視鏡検査

便潜血陽性健康診断などで大腸がん検診として行われることがある便潜血検査は、便に血液が含まれているかどうかを確認する検査であり、大腸がん以外の疾患によって陽性になることも多く、逆に陰性でも進行した大腸がんがあるケースも珍しくありません。何万人といった規模では大腸がん発見に有効性が認められていますが、個人の早期発見につながりやすい検査ではありません。ただし、大腸がん自体の発見はできなくても便潜血検査陽性の場合は前がん病変の大腸ポリープ発見につながることが比較的多く、切除することで将来の大腸がん予防に役立つことから、陽性になった場合に大腸カメラ検査を必ず受けるようにしてください。

大腸がんとは

早期発見によりほとんどは内視鏡による楽な治療で完治が望めます。また、将来がん化する可能性のある前がん病変の大腸ポリープを切除することで予防も可能になっています。ただし、早期大腸がんや大腸ポリープは自覚症状がなく、発見や確定診断には大腸カメラ検査が不可欠です。
大腸がんは罹患者数やがんによる死亡者数で長年上位を占めていますが、進行してはじめて発見されるケースが多いことからこうした結果につながっていると考えられています。進行させてしまうと心身や生活に負担が大きい開腹手術などが必要になってしまいますので、将来のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)を守るためには症状のない段階で定期的に大腸カメラを受け、予防と早期発見につなげることが重要です。

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便潜血検査で陽性となった方へ

大腸カメラ検査(内視鏡検査)を受けましょう

大腸カメラ検査とは便潜血検査では、便に血が混じっていないかを調べており、大腸がんの有無を確かめているわけではありません。便に血液が混じる症状を起こす疾患は数多く、大腸がんがあるかどうかを確かめ、確定診断には大腸カメラ検査が必要です。

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造影剤を使ったX線検査

この検査では粘膜の凸凹の有無や状態を確認して大腸がんの有無を調べます。早期の大腸がんは平坦であることも多く、この検査では発見ができません。また、サイズや位置などの影響でがんが見逃されてしまうこともあります。さらに疑わしい病変の有無を確認できるだけであり、確定診断には組織採取が可能な大腸カメラ検査を別途受ける必要があります。

大腸カメラ検査は早期大腸がんの発見が可能な唯一の検査

大腸カメラ検査では、大腸粘膜を直接、詳細に観察できますので、小さくて平坦な病変でも発見が容易です。また、当院では特殊光や画像処理など早期の微細ながんの発見を大きくサポートする高度な最新機能が搭載されている最新の内視鏡システムを導入しており、経験豊富な内視鏡専門医が精度の高い検査を短時間で行っています。内視鏡検査時には組織を採取できますので、病理検査を行うことで多くの疾患の確定診断も可能になります。また、大腸カメラ検査中に発見された前がん病変の大腸ポリープはその場で切除する日帰り手術を行っており、患者様の負担を軽減しながら将来の大腸がん予防につなげています。

楽に受けられる専門医による大腸内視鏡検査

内視鏡専門医による大腸カメラ検査内視鏡検査(胃カメラ検査・大腸カメラ検査)は、行う医師のスキルや知識、使用する内視鏡システムやスコープなどにより、検査クオリティや不快感が大きく異なることがあります。
当院では全ての内視鏡検査を検査経験豊富な日本消化器内視鏡学会専門医が行っており、高度な機能を搭載した最新の内視鏡システムやスコープを使いこなすことで精度の高い検査を実現しています。洗練された検査手法を使い、デリケートな操作を丁寧に行うことで不快感を最小限に抑えており、鎮静剤を使った楽に受けられる検査も可能ですので、不安や苦手意識がある場合も安心してご相談ください。

内視鏡検査中に、初期大腸がんや前がん病変のポリープ切除が可能

大腸がんは、大腸カメラ検査を定期的に受けることで予防や完治が望める楽な治療が可能になり、怖い病気ではなくなります。命の危険や心身へ大きな負担をかける手術が必要になる怖い大腸がんは、進行して発見された場合です。

大腸カメラ検査中に初期大腸がんや前がん病変のポリープが発見された場合には、その場で内視鏡によって簡単に切除することができます。検査中の切除は日帰り手術として行われますので、別の日に切除のためのスケジュールを作る必要はなく、入院せずその日のうちに帰宅が可能です。また、事前の食事制限や下剤服用も1回で済みます。

便潜血陽性は大腸カメラ検査を受けるきっかけとして役立ちます

便潜血検査陽性は、肉眼ではわからないほど微量の血液が便に混じっていたということであり、消化管のどこかで出血が起きていることを意味します。消化管からの出血は、大腸がんで生じることもありますが、他にも様々な疾患で生じることの多い症状です。便潜血検査は、受診者1,000人のうち50人が陽性になり、陽性の方の1~2人に大腸がんが発見されると報告されています。実際に便潜血検査陽性で精密検査をして発見されることが最も多い病気は痔ですが、次いで前がん病変の大腸ポリープが発見されることも多くなっています。大腸ポリープを切除することは将来の大腸がん予防につながりますので、便潜血検査陽性で大腸カメラ検査を受けるのは有効性が高いのです。また、陽性で大腸がんが発見された場合は比較的進行していないケースが多く、より楽な治療で完治できる可能性が高くなります。陽性は、大腸カメラ検査を受けるきっかけとして大きく役立てることができます。陽性を指摘されたら早めに消化器内科を受診しましょう。

便潜血検査陰性の方へ

便潜血検査では発見できない大腸がんも多く、陰性でも大腸がんがないということではありません。便潜血検査に関する調査では、早期がんの50%が見逃され、進行がんの20~30%は検知できなかったという報告があります。リスクが上昇しはじめる40歳を超えたら、陰性でも大腸カメラ検査を受けることをお勧めしています。

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