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夏の感染性胃腸炎にご注意を!

皆様こんにちは、まきこクリニック院長の船越です。

本日のコラムでは、「暑い時期の感染性胃腸炎」について解説いたします。

 

■夏の感染性胃腸炎にご注意を!

夏といえば、海や山など自然の中で楽しめるイベントが多く、冷たい飲み物や食べ物がおいしく感じられる季節だと思います。しかし、この時期から多くなるのが「感染性胃腸炎」です。冬のノロウイルスの流行に比べて、あまり知られていないかもしれませんが、実は夏にも感染性胃腸炎のリスクは高まります。そのため、夏に流行しやすい感染性胃腸炎の特徴と予防策、症状が出た場合の対処法を正しく理解することが重要です。

感染性胃腸炎のご相談

 

■感染性胃腸炎とは?

感染性胃腸炎とは、ウイルスや細菌、寄生虫などの病原体が胃や腸に感染することで、嘔吐や下痢、腹痛などの症状を引き起こす病気です。原因となる病原体によって感染の仕方や症状の出方、流行する時期に違いがあります。冬は主にノロウイルスやロタウイルスなどのウイルス性胃腸炎が多く報告されますが、夏は細菌性の胃腸炎が多くなります。食中毒という言葉で表現されることも多く、特に高温多湿の環境で食品が傷みやすくなる夏は要注意となります。

 

■夏に多い感染性胃腸炎の原因菌

夏の感染性胃腸炎の主な原因は、細菌による食中毒です。

 

カンピロバクター

鶏肉やその加工品を通じて感染することが多く、生焼けの鶏肉や加熱不足の調理が原因となります。感染後2〜5日で腹痛、下痢、発熱、吐き気などの症状が現れます。当院での便培養検査でしばしば陽性で検出されますが、潜伏期間がながいので原因となる食事については覚えておられないことがほとんどです。

 

・サルモネラ菌

生卵や加熱不十分の肉類、ペット(特に爬虫類)からも感染することがあります。潜伏期間は6〜72時間で、発熱や激しい下痢、嘔吐が見られます。

 

・腸炎ビブリオ

魚介類を生食したり、調理器具からの二次感染で発症します。海水温が高くなる夏場に多く見られ、発症までの潜伏期間は短く、8〜24時間で腹痛や水様便、発熱などが出現すると言われています。

 

・黄色ブドウ球菌

手指に傷のある人が食品を取り扱うことで汚染されます。毒素を産生することで短時間で嘔吐や腹痛を起こし、症状は強いものの持続時間は短い感染性胃腸炎となります。

 

■夏に感染リスクが高まる理由

夏に感染性胃腸炎が増える背景には、気温と湿度の上昇が関係しています。病原菌は高温多湿の環境で増殖しやすく、冷蔵保存されていない食品は短時間で菌の温床となることがあります。また、夏はバーベキューやキャンプなど屋外での調理や食事が増える季節です。冷蔵設備が整っていない場所では食材の管理が不十分になりがちです。さらに、調理器具や手指の衛生が保たれにくい場面も多く、細菌感染のリスクが高まると言われています。

 

■こんな症状が出たら要注意

感染性胃腸炎の症状は、原因となる病原体によって異なりますが、主に以下のような共通した症状が見られます。

 

・突然の下痢

・嘔吐や吐き気

・腹痛、腹部の不快感

・発熱(細菌性では高熱になることも)

・倦怠感、脱水症状

 

特に子どもや高齢者では、嘔吐や下痢によって水分が急速に失われ、脱水症状に陥るリスクが高いため注意が必要となります。唇の乾燥、尿の量が少ない、意識がぼんやりしているなどのサインが見られた場合は、すぐに医療機関を受診するようにしましょう。

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■感染性胃腸炎にかかった場合の対処法

感染性胃腸炎の多くは自然に回復しますが、適切な対応を取ることで重症化を防ぐことができます。

 

・水分補給が最優先

嘔吐や下痢によって体内の水分と電解質が失われてしまいます。経口補水液(OS-1など)をこまめに摂取し、脱水を防ぎましょう。

 

・無理に食べない

食欲がない時は無理に食べず、胃腸を休ませることが大切です。症状が軽快してきたら、おかゆやスープなど消化の良いものから徐々に摂取するようにしてください。

 

■医療機関を受診する目安

発熱をしている、血便が出る、嘔吐や下痢が止まらない、水分を受け付けないなどの場合は、自己判断せずに消化器医師の診察を受けるようにしましょう。必要に応じて整腸剤や抗生物質の処方、点滴などの治療をご提案させていただきます。

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■夏の感染性胃腸炎を防ぐには?

日常生活のちょっとした心がけで、感染性胃腸炎のリスクを大きく下げることができます。

 

〇食材の取り扱いに注意

生肉や魚介類は十分に加熱し、調理前後の手洗いを徹底しましょう。まな板や包丁を肉・魚用と野菜・果物用で使い分けるのも有効となります。

 

〇常温放置を避ける

調理した食品は早めに食べるか、速やかに冷蔵庫へ入れましょう。特にお弁当などは保冷剤を利用して温度管理を徹底してください。

 

〇手洗いの徹底

外出先や食事前、トイレの後は、流水と石けんでしっかりと手を洗いましょう。

 

〇飲み水にも注意

キャンプや海外旅行中など、水道水以外の水を口にする場面では、水質に注意が必要です。浄水や煮沸が推奨される場合もあります。

 

■子どもや高齢者は特に注意を

体力や免疫力の弱い子どもや高齢者は、感染性胃腸炎にかかると症状が重くなったり、回復に時間がかかることがあります。家庭内で一人が感染すると、周囲にも広がりやすいため、家族全員での感染対策が求められます。タオルや食器の共有は避け、トイレや洗面所の消毒をこまめに行いましょう。夏場の感染性胃腸炎は、誰でもかかる可能性がある一方で、基本的な衛生管理を行うことで十分に防ぐことができる病気です。特に家庭での食材管理や調理時の衛生、手洗いの励行が重要です。万が一感染してしまった場合でも、落ち着いて対処すればほとんどは数日で回復します。夏のレジャーを安心して楽しむためにも、食事と衛生管理に少しだけ気を配るように心がけましょう。

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■当院の特徴

つらくない胃カメラ•大腸カメラ検査を、みんなが気軽に受けられる社会へ

 

◎生活習慣病から消化器疾患まで幅広く対応

◎地域に根付いた胃腸のかかりつけ医

◎複数名医師体制による安心の診断

◎女性医師による苦痛の少ない内視鏡検査

◎消化器内視鏡専門医による苦痛の少ない検査

◎眠ったまま出来る無痛胃カメラ・大腸カメラ検査

◎土曜・日曜の内視鏡検査

◎ハイエンドの検査機器完備

 

■まとめ

夏は細菌による感染性胃腸炎が増える季節です。高温多湿の環境では食材が傷みやすく、バーベキューや外食などの機会も多いため注意が必要となります。下痢や嘔吐、発熱などの症状が出た場合は早めに水分補給を行い、必要に応じて医療機関を受診しましょう。

 

〒601-1431

京都市伏見区石田大受町32-2

まきこ胃と大腸の消化器・内視鏡クリニック

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