皆様こんにちは、まきこクリニック院長の船越です。
暑くてなってから、胃が重い、食欲が落ちた、と訴えられる患者さんが増えています。
本日のコラムでは、「暑い時期の食事と胃・腸の関係」について解説いたします。
■暑い時期は胃腸が疲れやすい?
夏は外気温が高く、冷房の効いた室内との寒暖差が大きくなります。寒暖差の変化は、自律神経のバランスを乱し、胃や腸の働きを鈍らせる原因となります。さらに、冷たい飲み物やアイスなどの過剰摂取により、胃腸が冷えてしまい、消化不良や腹痛、下痢を引き起こすことがあります。また、暑い時期はどうしてもさっぱりした食事や麺類中心の食事が増えやすく、栄養バランスが偏りやすい時期でもあります。たんぱく質やビタミン、ミネラルが不足することで、胃腸の粘膜の修復力や免疫力が低下し、病気への抵抗力も弱まってしまいます。
■胃腸に負担をかけやすい暑い時期の食事習慣
・冷たい飲食物の摂りすぎ
暑さをしのぐために、冷たい飲み物やアイスクリームなどを頻繁に摂取すると、胃の血流が悪くなり、消化酵素の働きが低下します。その結果、胃もたれや膨満感、下痢を招くことがあります。
・冷房環境と温度差
外気との気温差が大きい冷房環境も、体温調節や自律神経の乱れを引き起こし、結果的に胃腸の不調につながります。冷房の効いた部屋では、冷たい飲食を控える工夫が必要です。
・水分の摂りすぎ
脱水症を予防にしようと水分を過剰に摂取すると、消化不良を起こすことがあります。朝、胃が重くてご飯が食べられない、おなかにガスが溜まるなどの症状が有る場合は、食前や食直後の水分摂取を控えるようにしてください。
・食中毒のリスク
夏場は細菌の繁殖が活発になるため、食品が傷みやすくなります。常温で放置された食品、加熱不十分な肉や魚、調理後にすぐ食べなかったお弁当などは、感染性胃腸炎のリスクを高めます。
■胃腸にやさしい夏の食事とは?
〇消化の良い食事を選ぶ
暑さで食欲が落ちる時こそ、胃に負担をかけず栄養がとれるメニューを心がけましょう。おかゆやそうめん、うどんなどは消化が良く、胃に優しい食品です。ただし、そうめんやうどんだけでは栄養が偏るため、温野菜や豆腐、ささみなどのたんぱく質を一緒に摂るのがおすすめです。
〇発酵食品を上手に取り入れる
納豆、ヨーグルト、みそなどの発酵食品は腸内環境を整える働きがあり、夏バテ予防にもつながります。特に腸内細菌のバランスを整えることで、免疫力の維持や便通の改善にも効果が期待できます。
〇温かい食事も取り入れる
暑いとどうしても冷たい料理が中心になりますが、胃腸の働きをサポートするために、一日一食は温かい食事を取り入れると良いでしょう。スープや味噌汁は、体を内側から温め、胃腸をいたわる効果があります。
■胃腸トラブルが起きたときのサインと対処法
これらの症状が出た場合は、胃腸の疲れや感染のサインかもしれません。
・食後の胃もたれ、膨満感
・下痢や軟便、腹痛
・食欲不振、吐き気
・発熱、倦怠感
これらの症状は胃腸のトラブルの可能性があります。そのため、まずは胃腸を休ませることが大切となります。胃腸を休ませるためには無理に食べず、経口補水液(OS-1など)での水分補給を優先し、安静に過ごしましょう。症状が強い場合や、長引くようであれば早めに消化器内科を受診するようにしましょう。
■胃腸を守る夏の生活習慣
夏の胃腸トラブルを防ぐには、日常のちょっとした工夫も効果的となります。
【日常生活からできる食事の工夫】
・食材はしっかり加熱し、調理後は速やかに冷蔵保存する。生ものは新鮮なものを選び、信頼できるお店で購入する
・手洗い・調理器具の衛生を徹底する
・食事の際はゆっくり噛んで、胃腸に負担をかけないように心がける
・就寝前の食事や飲酒を控え、胃を休ませる時間を確保する
■当院の特徴
つらくない胃カメラ•大腸カメラ検査を、みんなが気軽に受けられる社会へ
◎生活習慣病から消化器疾患まで幅広く対応
◎地域に根付いた胃腸のかかりつけ医
◎複数名医師体制による安心の診断
◎女性医師による苦痛の少ない内視鏡検査
◎消化器内視鏡専門医による苦痛の少ない検査
◎眠ったまま出来る無痛胃カメラ・大腸カメラ検査
◎土曜・日曜の内視鏡検査
◎ハイエンドの検査機器完備
■まとめ
夏は食生活が乱れがちになり、知らないうちに胃腸に負担をかけていることがあります。冷たいものの摂りすぎや食中毒リスクを避けるためにも、食材の管理や調理法、衛生習慣に気を配ることが大切です。胃腸の不調を感じたら早めの対処を心がけ、暑い時期を元気に乗り越えましょう。症状が長引く場合には、お早めにお近くの消化器内科クリニックに相談するようにしましょう。
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まきこ胃と大腸の消化器・内視鏡クリニック